Appendix A:
予約されたメッセージ

すべてのオブジェクトに関係するもの

エクスターナルオブジェクトが特定のシンボルにバインドされたメソッドを持っている場合、Max はその動作が特定のものであることを想定しています。これらのシンボルにあなたのメソッドをバインドした場合、メソッドは Max が期待する動作を行う必要があります。加えて、ここで記述されない特定の「内部的な」メッセージが存在し、これがMax や、ある特定のオブジェクトによって使用されています。あなたは、メソッドをこれらのシンボルにバインドすることを避ける必要があります。下記のものは、避けなければならない秘密の内部的メッセージと、あなたのメソッドがルールに従って動作する必要があるような確認されたメッセージの両方に関しての簡単な説明です。

多くの語は特定のコンテキスト(ユーザインターフェイスオブジェクト、非ユーザインターフェイスオブジェクト、ウィンドウを持ったオブジェクト等)内においてのみ問題になるようなものです。したがって、このリストは、システムによってあなたのオブジェクトに対してメッセージが送られる場合のコンテキストによって分類されています。

assist Max はオブジェクトに対し、自分自身について説明するよう要求します。他の目的での使用は避けて下さい。
checkin 型チェックを行うために、インレットによって用いられます。この語の使用は避けて下さい。
disable “X”環境では、ユーザがパッチャーウィンドウのタイトルバーにあるイネーブルアイコンを変更した場合、パッチャー内のすべてのオブジェクトに対して送信されます。MIDI オブジェクトの場合、これによって入力、出力が停止されます。あなたのオブジェクトが直接ハードウェアの一部との通信を行う場合、このメソッドを実装する必要があるかも知れません。そうでない場合にはこの語を使用しないで下さい。
enable MIDI シンボルに対し、ユーザがパッチャーウィンドウのタイトルバーにあるイネーブルアイコンを変更した場合、パッチャー内のすべてのオブジェクトに対して送信されます。すべてのオブジェクトは、生成される際、enable であると仮定されています。MIDI オブジェクトの場合、これによって入力、出力が使用可能になります。あなたのオブジェクトが直接ハードウェアの一部との通信を行う場合、このメソッドを実装する必要があるかも知れません。そうでない場合にはこの語を使用しないで下さい。
loadbang ファイルがロードされた後、パッチャーによってすべてのオブジェクトに送信されます。このコンテキスト内での特別な初期化を行う以外、使用を避けて下さい
preset preset オブジェクトをサポートするために用いられます。他の目的での使用は避けて下さい。
repo MIDI オブジェクトによって用いられる内部メッセージですが、すべてのオブジェクトに対して送信されます。OMS セットアップが変更されるたびに送信されます。使用しないで下さい。
info ロックされていないパッチャーであなたのオブジェクトが選択され、ユーザが Max メニューからGet Info...を選んだ場合に呼び出されます。権利を主張するか、オブジェクトのセッティングを編集するダイアログを表示させる以外は使用しないで下さい。

非ユーザインターフェイスオブジェクトにのみ関係するもの

ファイルからの読み込みができるオブジェクト(例えば、patcher、table、timeline など)すべてに関係するもの

save メソッドが “save”にバインドされている場合、Max はこれがオブジェクトがパッチャーファイル内で自分自身を保存する方法であると想定します。(これがどのような動作を行うかについては、simp オブジェクト、あるいは coll オブジェクトのサンプルコードで見ることができます)。その他の場合には使わないで下さい。
dblclick ユーザがオブジェクトボックス上でダブルクリックを行った場合に、オブジェクトに対して送信されます。多くのオブジェクトは、この時エディットウィンドウをオープンします。もし、何か他のものでこれを実装すると、ユーザはオブジェクトボックスをダブルクリックした際に、予測できない動作を経験することになってしまうでしょう。
imbed patcher オブジェクトによって使用される内部メッセージ。これは避けて下さい。
front パッチャーやテーブルウィンドウを最前面に移動させるためにこれが使用されます。直接ファイルを開くことができるオブジェクトを実装するのでない限り、これを使わないで下さい。

ユーザインターフェイスオブジェクトのみに関するもの

filename ロードされた後、ウィンドウにファイル名をセットするために用いられます。この目的でのみ使用可能です。
setport メソッドが setport にバインドされた場合、Max は patcher_setport を実行する際に特別な取り扱いを必要とするユーザインターフェイスオブジェクトであると仮定します。使用しないで下さい。
invis bpatcher のような、特殊なユーザインターフェイスオブジェクトのためのものです。使用しないで下さい。invis メッセージは、自分自身とは完全に別個のものを表示するウィンドウを持つオブジェクトによって使われる点に注意して下さい。
vis bpatcher のような、特殊なユーザインターフェイスオブジェクトのためのものです。使用しないで下さい。vis メッセージは、自分自身とは完全に別個のものを表示するウィンドウを持つオブジェクトによって使われる点に注意して下さい。
eval メッセージボックスやオブジェクトボックスのようなユーザインターフェイス・テキストオブジェクトが、新しいオブジェクトを作るためにそれらの binbuf を再評価する場合に使用されます。アーギュメントは取りません。避けることが賢明です。
offset bpacher にも使用されます。box の b_checkinvis フィールドをセットしないオブジェクトが、これを使用できます。
psave パッチャーの 保存 メソッド。他の目的での使用は避けて下さい。
key パッチャーの key キーメソッド。他の目的での使用は避けて下さい。
click パッチャーのマウスクリックメソッド。他の目的での使用は避けて下さい。
update パッチャーのアップデートメソッド。他の目的での使用は避けて下さい。
bfont box のフォントを変更するパッチャーメソッド。他の目的での使用は避けて下さい。
clipregion オブジェクトの形を決定するために、オブジェクトに対して送られます。他の目的での使用は避けて下さい。

テキストエディタを持つオブジェクトのみに関するもの

pname b_firstin フィールドがパッチャーであるユーザインターフェイスオブジェクトのためのものです。アーギュメントは取りません。そして、パッチャー名を要求しますが、これは関数の計算結果としてシンボルで返されなければなりません。この方法でパッチャーを保存する場合には、他の目的での使用は避けて下さい。
edsave テキストエディタのオーナーが特別な方法でテキストを保存(または保存しない)することを可能にするために、Ed オブジェクトによって使用されます。他の目的での使用は避けて下さい。
edclose ウィンドウが閉じている際に、オブジェクトにテキストを渡すために使用されます。他の目的での使用は避けて下さい。

パッチャーウィンドウを持つオブジェクトのみに関するもの

okclose テキストエディタのオーナーが、ユーザが変更を保存することを望むかどうかを尋ねるためのアラートを表示させることを可能にするために、Ed オブジェクトによって使用されます。他の目的での使用は避けて下さい。
pclose パッチャーウィンドウが閉じられる際に、p_assoc フィールドで自分自身をパッチャーと結びつけているオブジェクトに対して送られます。このフィールドを修正する場合には、他の目的での使用を避けて下さい。

ウィンドウを持つオブジェクトのみに関するもの

okclose ウィンドウが閉じられようとする際に、パッチャーウィンドウ(patcher_okclose を使っているもの)に結びつけれたオブジェクトに対して送られます。あなたが patcher_okclose を呼び出している場合、okclose メソッドがそれに従うことを確認して下さい。
pclose 変更を保存するダイアログをオーバーライドするために、ウィンドウのオーナーに対して送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
saveto ファイルの保存のためにウィンドウのオーナーに送られます。他の目的で使用しないで下さい。
otclick [option]+タイトルをクリックした時にウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
oksize サイズ変更を確認するために、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
mouseup マウスアップイベントの際に、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
print ユーザがプリントを行いたい場合に、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
help Max メニューから Help が選択された場合に、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
font Font メニューが使用された場合に、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
wsize ウィンドウサイズが変更された時に、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
key キーダウンイベントの際に、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
activate activate イベントの際に、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
update update イベントの際に、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
click マウスダウンイベントの際に、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
idle メインイベントループのアイドルタイムの間に、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
find Edit メニューで、Find アイテムが使用された時に、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
invis ウィンドウが不可視になった時に、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
close ウィンドウを閉じるために、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
scroll ウィンドウの内容をスクロールするために、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
dialog Max メニューから Get Info... が選ばれた際に、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
pastepic Edit メニューから Paste Picture が選ばれた際に、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
wcolor Max メニューから Color... が選ばれた際に、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
chkmenu メニューアイテムの、使用可、不可のために、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
undoitem Undo アイテムのテキストをセットするために、ウィンドウのオーナーに送られます。他の目的での使用は避けて下さい。
edit Max メニューから Edit が選ばれた際に、ウィンドウのオーナーに送られます。chkmenu メッセージのフィールドを有効(enable)にしていない場合は、他の目的での使用も OK です。
lineup Max メニューから Align が選ばれた時に、ウィンドウのオーナーに送られます。chkmenu メッセージのフィールドを有効(enable)にしていない場合は、他の目的での使用も OK です。
fixwidth Max メニューから Fix Width が選ばれた時に、ウィンドウのオーナーに送られます。chkmenu メッセージのフィールドを有効(enable)にしていない場合は、他の目的での使用も OK です。
hide Max メニューから Hide On Lock が選ばれた時に、ウィンドウのオーナーに送られます。chkmenu メッセージのフィールドを有効(enable)にしていない場合は、他の目的での使用も OK です。
show Max メニューから Show On Lock が選ばれた時に、ウィンドウのオーナーに送られます。chkmenu メッセージのフィールドを有効(enable)にしていない場合は、他の目的での使用も OK です。
undo Edit メニューから Undo が選ばれた時に、ウィンドウのオーナーに送られます。undoitem メソッドを実装していない場合には、他の目的での使用も OK です。
cut Edit メニューから Cut が選ばれた時に、ウィンドウのオーナーに送られます。chkmenu メッセージのフィールドをenableにしていない場合は、他の目的での使用も OK です。
copy Edit メニューから Copy が選ばれた時に、ウィンドウのオーナーに送られます。chkmenu メッセージのフィールドを有効(enable)にしていない場合は、他の目的での使用も OK です。
paste Edit メニューから Paste が選ばれた時に、ウィンドウのオーナーに送られます。chkmenu メッセージのフィールドをenableにしていない場合は、他の目的での使用も OK です。
clr Edit メニューから Clear が選ばれた時に、ウィンドウのオーナーに送られます。chkmenu メッセージのフィールドを有効(enable)にしていない場合は、他の目的での使用も OK です。
dup Edit メニューから Duplicate が選ばれた時に、ウィンドウのオーナーに送られます。chkmenu メッセージのフィールドを有効(enable)にしていない場合は、他の目的での使用も OK です。
selall Edit メニューから Select All が選ばれた時に、ウィンドウのオーナーに送られます。chkmenu メッセージのフィールドを有効(enable)にしていない場合は、他の目的での使用も OK です